製造業 法務課勤務
平成24年合格、未登録
<司法書士を目指した理由>
私の世代は、木村拓哉さん主演のHERO世代のど真ん中であり、法律を使った仕事が” かっこいい! ”という憧れがあり、大学は法学部を選択し進学いたしました。
2回生のころ、弁護士事務所へのインターンシップがあり、弁護士事務所に半年ほどお世話になりました。現在もインターンシップ先の弁護士の先生と仲良くさせていただいておりますが、話しやすい先生で、弁護士の仕事について初めて現場で教わり、裁判も何度か見学させていただきました。
しかし、私が卒業する年は法科大学院の1期生受け入れの年であり、司法試験が大きく変革する節目でした。
法科大学院制度に納得できなかったことと、性格上訴訟には不向きかもしれないと感じたことなどから、自分でいろいろ調べた結果双方代理であり、予防法務的側面の強い分野を得意とする司法書士になることを決めました。
<現在の仕事内容・所属組織はどのような職種・業種ですか>
現在は製造メーカーの法務課に勤務しています。
小さな案件だと産業廃棄物処理契約書や社宅の賃貸借契約書の修正・チェックから、大きな案件になるとM&A契約や海外子会社設立案件まで、業務範囲は多岐に渡ります。
数の多い契約は、売買契約、秘密保持契約、販売代理店契約、OEM契約などで、海外案件と国内案件は50:50といったところです。
最近の課題は国内案件では、改正民法への移行への対応、改正個人情報保護法への対応、海外案件では米国OFAC規制への対応策の練り直し、RoHSⅡ指令への対応、EU一般データ保護規則(GDPR)への対応などです。
契約書チェック以外には、コンプライアンス研修を実施したり、下請法や独占禁止法に違反しないかどうかの法務監査を実施したり、株主総会に事務局として参加したり、登記の管理をしたりしています。
<社内で司法書士のスキルが行かされる場面>
司法書士の知識は基本的に全て活かせます。
全く知らない法律であっても、海外の法律であっても、法律の読み方は基本的に同じであり、読み方のスキルは試験勉強もしくは実務で嫌というくらい刷り込まれたはずです。
また、民法はもちろんですが、会社組織ではやはり会社法に関する知識が重要です。
もちろん業務が異なりますので、司法書士の知識だけでは毛頭太刀打ちできません。
しかし、周りの全ての司法書士が知っていて、知らないと恥ずかしいような知識が、法務に入ったら一目置かれるほどの知識であった、と感じることが多々ありました。
司法書士時代には武器のなかった私ですが、企業では、会社法と登記法が私の武器であり、社内の人には誰にも負けないと思えます。
あとは、やったことのない案件を楽しいと思えるか、海外案件を調べながらすすめることを楽しいと思えるか、個人のやる気や好奇心も重要かもしれません。
私の直近の課題は、もちろん英語です。
英語に関しては司法書士時代には必要とされなかったため、不勉強だったので今非常に困っております。
使える英語を短期間で身に付けることを当面の目標としています。
<司法書士という資格について>
私は、司法書士という資格が大好きであり、司法書士試験合格者であることに誇りを持っています。
しかし、予防法務に携わりたいと思ったとき、私の答えは企業法務でした。
現在の制度では企業から並々ならぬ理解を得なければ登録することができず、私も登録できておりません。
登録していないということは、司法書士と名乗れないということであり、司法書士会の研修に参加できないということであり、司法書士会への発言権がない、ということであり、非常に寂しく思っております。
当協会に初参加したとき、心強い諸先輩方がいてくれて、司法書士の制度は変えられるかもしれない、初めてそう思えました。
組織内に所属される有資格者の皆様、ぜひ一度ご参加くださいますと私も嬉しいです。
女性の皆様、歓迎です。(私も女性です)