情報・通信会社勤務
平成23年合格
<司法書士を目指した理由>
私は、新卒で入社した会社で法務部に配属されたのですが、当時は業務で使用できるレベルの法律知識を有しておらず、ひたすら部員の足を引っ張っていました。当初は、業務上必要な知識はそのうち身につくだろうと考えていたのですが、法務という仕事に対してやりがいを感じつつあったため、次第に、いち早く一人前になりたいという思いが強くなりました。そこで、圧倒的な知識を身につけることができ、司法試験よりも短期間で結果を残すことができる司法書士試験の受験を思い立ちました。
司法書士試験は、登記法に関する深い知識だけでなく、企業法務にとって有用な民事法に関する知識が広く問われます。その学習を通して体系的に法律を学べたことで、合格後は、以前と比べ格段スムーズに業務を進められるようになりました。さらに、業務のアウトプットへの自信も増しましたし、周囲からの信頼も得やすくなったと感じています。
<現在の仕事内容・所属組織はどのような職種・業種ですか>
システム開発会社の法務部門に所属しています。当社は、自社や第三者のソフトウェアを顧客企業に導入するためのいわゆるシステムインテグレーションサービスを提供しており、法務部門は、主に事業部が顧客企業やソフトウェアの仕入先と契約を締結する際の支援や、出資案件の法的側面からの支援を行なっています。また、契約交渉や知的財産権に関するセミナーを開催したり、法改正に関する情報をイントラネットに掲載するなど、社内への啓蒙活動も頻繁に行っています。
<社内で司法書士のスキルが活かされる場面>
契約書の審査を行う上では民法の知識が必須です。また、当社では、知的財産権に関する法律を取扱う場面が数多くあります。知的財産法は、司法書士試験の科目ではありませんが、私の場合、知的財産法を民法の特別法として捉え、民法と比較しながら学習することにより理解を深めることができました。司法書士有資格者は、受験勉強を通して法律の学習方法をある程度心得ており、法律知識のベースがあるからこそ、周辺領域への応用も利かせやすいのではないかと考えています。
<この会の魅力>
多種多様な組織に所属している方々と知り合うことができるのが最大の魅力です。組織形態や業種が異なる会員から自分の取扱ったことのない業務に関する話を聞くことで新鮮な気づきを得ることもできますし、自分と同じような業務上の悩みを抱えた方々と語り合うこともできます。
また、組織内弁護士は顕著に増加傾向にあるようですが、組織内司法書士に関してそのような話はあまり耳にしないため、我々は依然として司法書士業界における異端な存在なのだと思います。そのような環境もあってか、新たな会員と知り合う度に遠く離れた異国の地で日本人に遭遇したときのような若干の興奮を味わうことができます。マイノリティーが寄り集まった組織なので、会員同士が強いシンパシーを感じ合っていて一体感のあるところが、この会の特徴であり、魅力でもあると感じています。